それはコントの一種なのか?
元夫との思い出話。
ある日、元夫が知人の家に呼ばれて夕食をごちそうになった事があった。元夫は私へのお土産に、知人宅の奥さんが作ったというお好み焼きを持って帰ってきたのだが…
元夫:はい、これ、お邪魔したお宅の奥さんが作ったお好み焼き。美味しいと思うよ。あなたもこんな風にお好み焼きを作ってみたらどう?あの奥さんを見習ってみたら?
私:へえ、そうなの。じゃあ包んであるラップを剥がして食べてみようか。
私はその包みのラップを剥がしてお好み焼きを皿に出してみた。それは綺麗な小さめの円形に成型された、豚バラを丁寧に2枚美しく乗せて焼いてある、まるで何処かの店で焼いたようなお好み焼きだった。私は喜んで、その綺麗なお好み焼きを口に運んだ。
私:美味しい!その奥さんお料理上手なんだね。
元夫:そうだろうね…
経験から言うと、元夫の知人の奥さんは別にお料理は上手では無い可能性の方が高い。何故なら、普通の家庭の主婦がお好み焼きを作っても、それは、”綺麗な小さめの円形に成型された、豚バラを丁寧に2枚美しく乗せて焼いてあるお好み焼き”にはならないから。それは熟達したお好み焼き店の店員だけが作れるお好み焼きなのである。
普通に作ったら、お好み焼きはまず小さくならないし、綺麗な小さめの円形には成型されないし、ましてや豚バラを美しくお好み焼き表面に配置したまま崩さずに焼き上げる事は不可能なのである…元夫はそれを知っていてわざと”行った先の家の奥さんの手作り”という風に、多分その奥さんが元夫に言った通りの口上を私に言ったのだろうかと。
元夫は発達障害。だが、元夫の勘の鋭さは私のそれを遥かに超えるレベル。元夫は勘の良さだけで世間を泳ぎ回る滝登りする鯉のような男…